労災保険④ ~休業(補償)等給付~

第四回は休業(補償)等給付についてです。

休業(補償)等給付の請求

■「業務上または通勤災害による負傷や疾病の療養のため」、「労働することができず」、「賃金が支給されない」という3つの要素を満たす場合に請求することができる。
■休業の4日目以降、給付される。
■業務災害の場合は、休業開始後の3日間は事業主が労働基準法第76条による「休業補償」を行う。複数業務要因災害・通勤災害の場合は、当該休業補償を行う義務は生じない。

区 分請求書提出先支給額(原則)
業務災害 複数業務要因災害休業補償給付支給請求書 複数事業労働者休業給付支給請求書 (様式第8号)所轄労働基準監督署(休業1日につき) 給付基礎日額の60%および特別支給金として給付基礎日額の20%
通勤災害休業給付支給請求書 (様式第16号の6)

※休業が4日以上の場合、「労働者死傷病報告」を所轄労働基準監督署に対して行う。

給付基礎日額の計算(原則)

給付基礎日額は、労働基準法第12条の平均賃金に相当する額である。

■平均賃金は、これを算定すべき事由の発生した日以前3か月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額である。
■複数事業労働者の給付基礎日額は、就業先ごとの給付基礎日額を合算した額である。

【例】被災日:10月15日
   直近の賃金締切日:9月30日
   賃金 :月額20万円(総支給額) の場合の給付基礎日額は下記の通り

   ① 賃金の総額 =20万円×3か月=60万円
   ② 総日数   =9月(30日)+8月(31日)+7月(31日)=92日
   ③ 給付基礎日額=60万円÷92日≒6,521円73銭 ⇒6,522円 
                      ※1円未満の端数は切り上げる

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