労災保険② ~労災保険給付請求~

第二回は第三者行為災害と労災保険給付の請求についてです。

労災保険給付請求

「第三者行為災害」とは……

労災保険給付の原因である災害が第三者(※)の行為により生じたもので、第三者が被災労働者等に対して損害賠償の義務を負っているものをいう。
※当該災害に関する労災保険の保険関係の当事者(政府、事業主および労災保険の受給権者)以外の者のこと

請求時の提出書類

必要書類

被災労働者など
  • 第三者行為災害届
  • 念書(兼同意書)
  • 交通事故証明書または交通事故発生届(交通事故による災害の場合)
  • 示談書の写し(示談が成立した場合)

<死亡した場合>

  • 死体検案書または死亡診断書の写し
  • 戸籍謄本の写し
第三者
  • 第三者行為災害報告書(労働基準監督署から提出を求められたとき、速やかに提出)

提出先

被災労働者等の事業場を管轄する労働基準監督署

請求時の留意点

自賠責保険等を有する場合

交通事故といった自動車事故の場合、労災保険給付と自賠責保険等(自動車損害賠償責任保険または自動車損害賠償責任共済)による保険金支払のどちらを先に受けるか、被災労働者等が決める。

示談する時

■示談を行う前に必ず都道府県労働局または労働基準監督署に連絡する。
■示談内容が、労災保険給付を含む全損害の填補を目的とするものであるか否かを、第三者(示談の相手方)に対して明確に意思表示してもらう。
■治療費や休業損害等に関する部分について、示談締結後に別途労災保険に請求する予定である場合は、その内容を示談書に明示する。

その他

■業務災害・通勤災害の場合は、健康保険は原則として使えない。
■労災保険の特別支給金は、支給調整の対象にならない(保険給付ではなく社会復帰促進等事業として支給されるものであるため)。

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